偽りの結婚
「すぐ行く」
ラルフは短く返して、ベッドを降りる。
あらわになるラルフの上半身から慌てて目を逸らした。
ベッドに入ったまま顔を赤くする私にラルフはクスッと笑う。
「今日はゆっくり休むといい。後でモニカを呼んでおくよ」
「ッ…大丈夫です。今日は一人ですごしたいんです」
こんな状態でモニカと顔を合わせるのは避けたい。
モニカが呼ばれれば、まずお風呂に入れさせられる。
しかも、数人の侍女たちに世話をされながら…
そうなれば、この体の隅々まで見られるわけで。
そんな恥ずかしい状況に耐えられるはずがなかった。
「それは構わないが、辛くないか?」
ラルフの問いに、ブンブンと思いっきり首を横に振る。
「分かった。じゃぁ、今日はここに誰も立ち入らないようにしておくよ」
私の反応にククッと笑いながら、了承するラルフ。