偽りの結婚




っ…!いけない、もうすぐ門番の交代時間だわ。


この国は全体的に平和な国なためか王宮の警護も薄い。

そのため、門番が交代する時などは数分間、誰もいない時間があることを知っていた。

これを逃せば王宮の外へは出られない…

そう思いながら足を速めた。





―――良かった、まだ誰もいない…

幸いにもまだ交代時間だったようで、門には誰もいなかった。

念のためストールを頭にかぶせ、特徴的なプラチナブロンドの長い髪を隠して門をくぐる。



意外と簡単に抜けられた気がしたのは気のせいかしら?



いくら王宮の警護が甘いと言っても、エントランスから門まで誰一人として会うことがないなんておかしい。

しかし、今はそんなことを考えている場合ではない。



早くここから立ち去らなければ…

考え始めた思考を遮り、城下を目指して歩き始める。


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