偽りの結婚




アリアの両親は天然夫婦で、どこか世間知らずなところがあるため二つ返事で屋敷に住まうことを了承したが、ベルナルドは少し驚いているようだった。

しかし、それも一瞬の事で、私がノルマン家の屋敷に住まうことになったことを聞くと嬉しそうにしていた。








その夜―――

ふかふかと、慣れないベッドに入り物思いにふける。


ラルフは手紙を見てくれたかしら…

見てくれたとしたら、どんな反応をする?

いきなりいなくなったことに怒る?

それとも、都合が良いと思ってそのまま放置する?

どちらにせよ、もうラルフと関わることはないのだけれど…




少しでも自分の事を思い出してもらえれば嬉しい、と思いながらシェイリーンはうとうととする。

王宮から歩いて城下を下り、一日中歩き回ったため、体は悲鳴を上げていた。

疲れた体は睡眠を欲し、時計が9時半を指したころには、深い眠りについたのだった。








< 435 / 561 >

この作品をシェア

pagetop