偽りの結婚
「僕の妃はシェイリーンだけです」
リエナに意志を示すべく、ハッキリとした言葉で告げる。
すると、ラルフの言葉に満足したのか、リエナはとても嬉しそうにする。
「その言葉が聞きたかったわ。もちろん迎えに行くのよね?」
「当然です」
リエナの問いに、迷いなく答える。
シェイリーンは会いたくないと思っているのだろうが、こんな手紙だけでは納得できない。
本当に離婚したいなら、顔を見て言ってもらおうじゃないか。
まぁ…それで離婚を受け入れるかは別だがな。
「けれど、もう夜も遅いし明日にしなさい」
「しかし…っ!」
迎えに行くのかと聞いてきた癖に、出鼻を挫く事を言うリエナに、反論する言葉が出る。
こんなことをしている間にも、シェイリーンは離れていく。
シェイリーンの事となると余裕も何もないラルフは、今から追いかける気でいたのだ。
「熱くなってもしょうがないでしょう」
そんなラルフに、呆れるリエナ。