偽りの結婚
……確かに。
現時刻は9時半を過ぎ、10時にさしかかろうかという頃。
恐らくシェイリーンは実家に帰っているだろうが、もう、この時間帯では寝ているだろう。
しかも、そこにはシェイリーンだけでなく、彼女の家族もいる。
継母と義姉だが……
別にその二人がどうこう言ってくるのはどうでもいいが、何がマイナスに働くか分からない。
「分かりました。明日、迎えに行くことにします」
冷静になって答える。
自分が原因でシェイリーンが出て行ってしまったという事実がある限り、これ以上嫌われるような事態になるのは避けたかった。
「えぇ、頑張ってきなさい」
安心したリエナからエールを送られる。
そして、エドワードの待つ部屋に、意気揚々と帰って行った。
孫の顔はいつ見れるのかしらね、などと呟きながら。