偽りの結婚
これだから、プライドの高い女は…
数回足を運んだことはあるが、それはシェイリーンのためだと言うことが分からないのか?
プライドだけ高くて、頭も悪いなど救いようがないな。
しかし、それよりも今はシェイリーンがここにいない事が気になる。
「では、どこに?」
てっきり実家だと思った。
シェイリーンが返ってくる場所はここしかないはずだ。
「多分、ノルマン家の屋敷にいると思いますわ」
ラルフの問いにミランダが答える。
「っ…ノルマン家!?」
シェイリーンがノルマン家に?
予想外の答えに激しく動揺する。
頭に浮かぶのはノルマン家の子息。
確か、ベルナルド…だったな。
あの誕生パーティーの時、シェイリーンが笑いかけていた相手。
彼は、自分と同じ目でシェイリーンを見つめていた。