偽りの結婚
全く………
「少しは私の話も聞いてください」
顔に手をあて項垂れる。
しかし、今までが今までだっただけに強く言えなかった。
「はいはい、聞くわ」
見かねたリエナが言ってみなさいとばかりにそう言う。
聞く気があるのか不安に思ったが、若干の不安を抱きつつも口を開いた。
「まず言っておきますが、私はシェイリーン以外の女性を妃にするつもりはありません」
これは先に言っておかねば、また後でとやかく言われることになるからな。
「ほぉ……」
「まぁ!」
途端、両親の顔が喜びに包まれたようにパァっと明るくなった。
エドワードは感心した様子で、リエナは明らかに喜んでいる。
二人の反応を見てこれはいけそうだと思った。