偽りの結婚
アリアはシェイリーンに想いを告げたとしても振られるのが落ちだと言った。
なぜならシェイリーン自身が自分を拒絶しているから。
シェイリーンが意外と頑固だという性格も知っていたし、自ら出て行ったということはその可能性が十分にあることは分かった。
だから大人しく言われるままに帰ってきた。
そして、自分に与えられた役割とは王家主催の仮面舞踏会を一週間後に開くこと。
仮面舞踏会はシェイリーンの警戒を解くため。
仮面を付けていれば警戒心が薄らぎ、参加してくれるだろうとアリアはよんだらしい。
仮面舞踏会の参加へはアリアとベルナルドが尽力するからと。
その経緯を含め、全てはシェイリーンを取り戻すためだと両親に伝えた。
「わかったわ」
リエナは一言、承諾の言葉を告げる。
エドワードも頷いている。
「けれど、仮面舞踏会を開く目的はどうするの?」
王家主催の舞踏会は目的がなければ開かれない。
それ程、大規模で国民に注目される催しだから。