偽りの結婚
「っ・・・!」
思わぬ言葉に、驚く。
「リエナ様から聞いたわ、貴方シェイリーンさんに逃げられたんですってね。」
またか・・・
なぜ僕の周りにいる女性はおしゃべりが多いんだろうか・・・
少しは大人しく見守ってもらいたいものだ。
「想いを告げる前に逃げられるなんて、聞いて呆れるわ。」
自分が悪いだけに、否定の言葉もない。
「何とでも言ってくれ。」
傷ついた心にグサグサと刺さる言葉は、容赦ない。
永遠に続くのではないかと思わせるソフィアのお説教は、しばらく続いた。
「それで?今日は本当にシェイリーンさんが来ているの?」
一通り言いたいことを言ったソフィアは、ホールを見渡す。
「今日は同じような人がたくさんいるからわからないわ。」
それはそうだろう。
同じドレスと仮面を付けているのだから。