偽りの結婚


―――――王家の書庫


あれからラルフと共に朝食をとり、今日は王家の書庫へ来ていた。




「ここは静かで落ち着くわ」


よく晴れた春の昼下がり、書庫の椅子に座り本を読む。

やはり王家の書庫は国一と謳われるに相応しい書庫だった。




書庫は王宮の西に棟が設けられ、3階の階層になっている建物全てが本で埋め尽くされている。

国中の本を保管する為に作られたものであったが、この書庫を利用する人の為に閲覧室も設けられていた。

建物の1階に接するように建てられた閲覧室もまた素晴らしく、部屋一面がガラス張りの部屋で、今日のような天気の良い日は陽の下で本が読めるのだ。

ここは私のお気に入りのあの場所と似ている。

暖かな陽と静かな世界……




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