偽りの結婚
彼女たちにとって身の回りの世話をすることが仕事なので仕方ない。
けれど正直着替えやお風呂の世話など、今まで全て自分でやってきたことばかりだっただけに当惑していた。
しかし彼女たちも王宮の習慣に慣れていない私を気遣ってか、書庫だけは一緒に入ってこようとはしない。
そのため書庫は私にとって安らぎの場所となっていた。
朝の調子じゃラルフは帰ってこないだろうからゆっくり本が読める。
そう思いながら手に持っていた本を読み始めた。