輪廻怨縛
骨格が剥き出しの蓋を開くと、早速違和感が襲ってきた。
待受画面が変わっているのだ。
友人四人と写したプリクラを使っていた筈の画面が、なにやらオカルトチックなお札が描かれている画面に変わっていたのである。
《どうしてなの!? どうしてこんなに、気味悪いことばっか起こるの!?》
また、目が霞んできた。怖い。
今日という一日の不可解さが、怖くて怖くて堪らない。
突然現れた不気味な待受の中心に、メール受信を知らせるウインドウが開いている。
このメールは普通のメールなのだろうか。
それとも呪いのメールなのだろうか。
呪いのメールなどというものは物理的に存在し得ない物なのだ、ということは解っているつもりではいるのだが、どうしてもそれを完全肯定できない自分もいる。
それほど今日は、運が悪いのだ。
そして、不可解なのである。
《これ開いたら……、また死ぬような目に遭うんじゃ……》
という思いが、ただ方向キーを押して決定ボタンを押すだけの作業に、やたらと長い時間をかけさせる。