輪廻怨縛





「でもほんとにごめんなさい、五回も倒れてしまって……」

「いいよいいよ、こうしてちゃんと出来上がったんだから」


言った後、よほど疲れていたのだろう、監督は「あー、眠……」と大きく伸びをして、そのまま寝込んでしまった。


ロケバスはあたし達を乗せ、心地良く揺れる。


窓の外には森。
流れる木々が催眠術の振り子であるかのように、あたしを夢の世界へと誘う。
そして意識が、ブラックアウトしていく。
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