輪廻怨縛


《そうだ、背景色だ!》


やっと気付いた。




待受の背景色が、紺色から群青色へと変わっているのだ。




これが空模様なら、夜が明けてだんだん明るくなっていく空を想像できるのだが、待受画面の背景色となると話は別である。


本来変わる物ではいのだから。


フラッシュ待受なのだろうか。




     !




違う。
今も僅かずつではあるが、色が明るくなって来ている。
フラッシュであるならば、こんなに短時間で変化する訳が無い。


大丈夫。
何があろうが対策は万全だ。
薬さえ手元にあれば、喘息に殺されることは無い。




意を決して、




ウインドウをクリックする。




メールホルダーの一番上のメールは、メアドが載っていた。
どうやら未登録のメアドから来たようだ。


だが、差出人はすぐに解った。
タイトルが『河山です』となっていたのだ。
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