輪廻怨縛
「皆さんこんばんは、スピチュアルバラエティー前者先生、本日のゲストは、なんと河山先生の身内の方でいらっしゃいます」


番組が始まる。


「公営全国競馬協会所属騎手、門倉優里愛さんにおいで頂きました!」


呼出しに応じて、彼女の兄とわたしが結婚したため、いわゆる小姑となった門倉優里愛騎手が、セットに降りてくる。


しかし、どうしてこうも門倉家というのは美形が揃っているのだろう。
姑夫婦や小姑、小舅連中に会う度に思ってしまう。
実に羨ましい限りだ。


「門倉優里愛に十の質問。


最近困っていることは?」


この質問タイムは一種の時間稼ぎだ。
ゲストの前世を知るには、まずゲストの魂に接触する必要がある。
質問を沢山ぶつけている間に、接触してしまおうということなのである。


《門倉優里愛の魂よ、我の呼出しに応じ賜え》


魂は、一回目の呼出しですぐに応じてきた。
どうやら健全な本人の魂のようだ。


「えーと、ホームシェアしてる友達が、元気過ぎて困ってます」
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