輪廻怨縛
〔実力行使は反対か……。脳障害は最悪の場合だ。ゆーも俺の娘なんだから、霊的な作用に対してそれなりの耐性は持ってる。障害残るパーセンテージは一桁ぐらいに思ってもらって構わねえ。それでも……嫌か?〕
「……、……、……、解ったよ、父親の勘に……、賭けてみる」
姫の了承は取れた。
後は実行に移すのみだろう。
〔次にジュジュ。霊力解放した俺が多分フレームにカットインすることんなるし、それに、間違い無くゆー、やった後一時間は意識飛んでると思う。おめーの番組で放送事故多発すっけどかまーねーか?〕
「えっ!? なに!?」
突然の振りに主導権のスイッチが遅れてしまった。
わたしに切り替えて、返事を出す。
「かまーないよ。番組なんかよりゆーちゃんのほうがよっぽど大事だもん」
夫を除けた門倉九兄弟の中でも一番好きな子なのである。
放送事故を気にして生命の危険に晒すなど、愚の骨頂だ。
〔よし……、解った! じゃあ行ってくる……!〕
突然強烈な波動が空気を震わせた。
チェーンじゃらじゃらの革ジャン、革パンツに、ツンツンに逆立てた赤い長髪といったパンクな出で立ちの赤星くんから、黒いオーラが立ちのぼっている。