輪廻怨縛
〔ジュジュ、空いたぞ。姫さん戻してやれ〕
帰ってきた赤星くんは、親指で倒れている義妹を親指で指してわたしの後ろに還っていく。
《ありがと。やっぱり赤星くんはわたしの守護神だよ》
心から感謝した。
まあ、口にしてしまったら間違い無く調子に乗るだろうから、感謝の意を表明する気は無いのだが。
「なんであんな凄いのが……、降臨なんて……」
《あれは人殺しだから、あの世に上がれないのよ》
「そうなの……。そんなことするような人には見えないんだけど……」
今わたしの主導権を持っているのは、半ば唖然としている百合姫だった。
《それは同感。わたしもあの事件は別な犯人がいたと思う。でも、しょうがないのよ。彼自身が犯人であることを望んでるんだから》
「なんで……」
《いたんだろうね。自分が処刑されても……、守ってあげたい誰かが》
〔おう、おまえら! いい加減にしねえと、天罰くらわすぞ!〕
赤星くんから脅しが入ったため、この話題はお開きとなる。
《門倉優里愛の魂よ、彼女の元に還り賜え》
義妹の魂百合姫は、本来在るべき門倉優里愛の後ろへと還っていった。