輪廻怨縛




それだけで気分がすっきりしてくる。


この、炭酸飲料の喉越しに、アルコール摂取による昂揚感が加わってくるからまた、たまらないのである。


《あーっ、生きててよかったー!!!!》


〔……、……、おまえ……、酒乱だろ……〕


赤星くんの呆れた声が聞こえてきたが、聞き流した。


大村千夏は気になるところだが、既に手詰まりとなっているのだ。
ここは一度、頭をリセットしたほうがいい。


今日の捜索は諦めて、明日に回すこととなる。











一日が明けると、後はもう、次回の前世先生までタレントとしての仕事は無い。


いつもの、怨霊払い師やアジディック〈全(All)日本(Japan)ディテクティブ(Detective)カンパニー(Company)の略称〉登録探偵としての仕事となる。


とはいえ、今の所どちらの依頼もなく、結局のところ、大村千夏特定が再優先であり唯一のやることとなっていた。


本来なら、今取り憑いているだろう雪奈の魂を呼び出せばよいのだが、実のところ、なかなかそうは行かない。


わたしが呼び込める魂の数は、一体だけなのだ。
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