輪廻怨縛
「いや、偉そうっていうより……、肝が据わりすぎてるんだよ、同年代の他のコと比べて。何て言うのかなぁ、ほら、高貴なお方ってそれだけでもういろんなリスク背負ってるだろ? だから自然と肝が据わってくんじゃないなーと思ってさ」
逃げ口上でもはぐらかしでもないということは、その表情から見て取れる。
そういえばロケバス内で見た夢の中でも、どえらいお屋敷の一室で雪奈という少女に、偉そうな口調で今川家の様子を報告させていた。
あれが前世の記憶だったなら、川上さんの読みは当たっているのかもしれない。
当たっているならば、上級武士の娘か女忍者の元締だろう。
なんだか明日の仕事が楽しみになってきた。