爆走★love boy
「あたし? あたしはねぇ」



出会ったころの事を思い出して頬を染めるナナミ。



かわいい、女の子だ。



「出会ったのは――」



そこまで言った時、店の奥の方からどなり声が聞こえてきて私たちは口を閉じた。



「今のって……」



「うん。トイレから聞こえた気がする」



頷き、一瞬目を見交わせてから私たちは席を立った。



お客さんたちは何事かと注目しているし、お店の人はただオロオロするばかり。
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