爆走★love boy
ついさっきまで不良グループのリーダーである樹先輩を軽蔑してたのに。



自分がこんな状態に陥ると、そんな先輩に助けを求めてしまうんだ。



汚い。



悔しい。



情けない。



でも……。



「なに、してんの?」



男子たちの後ろでそんな声がしたとき、死ぬほどうれしくて、ホッとして、たまっていた涙がこぼれたんだ。



「は?」



まさか先輩が声をかけてくるなんて思ってもいない男子生徒たちは、怪訝そうな顔をして振り返る。

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