爆走★love boy
「うそ……」



マサさんが殴られた理由って、そんなことだったの?




元々、傷の舐め合いで付き合い始めた私たち、なにもそんなにムキになる必要なかったはずなのに……。



――やっぱり、私に不倫は無理。耐えられなくなって今、別れてきたところなの。


こんな夜中になに考えってんだって、一方的に怒られちゃったけどね。



ナナミの声は、最初よりも強くハッキリしてきている。



私に話すことで気分が落ち着いてきたんだろう。



「そっか……がんばったね」



ナナミの強さに、ジンッと目の奥が熱くなる。



ナナミは最後に『いい彼氏もって、よかったね』そう言って、電話を切った。
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