爆走★love boy
手を握り合ったままあのコンビニを通り過ぎようとしたとき、私は見覚えのある人に思わず歩調を緩めていた。



「雅紀君……?」



正直、今一番会いたくない人。



このトキメキをまだまだ味わっていたいのに、前から歩いてくるその人にどんどん気分は落ち込んでいく。



「亜美、気にせず通り過ぎるぞ」



私の緊張が手から伝わったんだろうか。



先輩がそう言って歩調が緩む私をひっぱた。



「うん」
< 206 / 361 >

この作品をシェア

pagetop