爆走★love boy
「いい彼氏だね」



ナナミがパンを一口かじり、つぶやくように言った。



私に返事を求めていったのではなく、空へ向けて囁くように。



まるで、自分自身の恋を思い出し、彼氏のいい部分だけを思い出しているかのように見えた。



「ナナミ……?」



その表情はとても澄んでいて、どこかさみしそうで、私の胸がざわついた。



そんな顔、してほしくないよ。
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