爆走★love boy
☆☆☆

足早に昇降口へと向かっている途中で、1時間目が終わるチャイムが鳴り響いた。



やばい。



この顔を色んな生徒の前にさらけ出すことになっちゃう。



それだけはなんとしてでも避けたくて、私は階段をかけていく。



涙で滲んだ視界では段差がよくわからなくて、何度もこけそうになりながらも、


なんとか最後まで降り切った。



あとはこの廊下を抜ければ――という刹那。



階段を下りてすぐの曲がり角で誰かとぶつかって、私は小さな悲鳴を上げながら尻もちをついてしまった。
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