爆走★love boy
まさか昨日の今日で同じ人とぶつかるなんて思っていなかった。



しかも、昨日は先輩を下敷きにしてしまったワケだし。



「大丈夫? そんなに痛む?」



泣き顔の私を見て、心配そうにのぞきこんでくる先輩。



「い、いえ。大丈夫です!」



涙の理由は雅紀君と別れたことにあるから、先輩のせいじゃないんだ。



私はあわてて立ち上がって、平気ですということをアピールする。




「よかった、けがはないみたいだね」




ニコッとほほ笑むその優しさに、一瞬胸が痛んだ。




雅紀君も、そんなふうに微笑んでくれてたんだって、思い出してしまったから。
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