ラブハンターに狙われて。
あたしは無意識に首を横に振っていた。

「なに首横に振ってんの?」


中西さんの言葉に慌てて「いえ。なんでもないです」だけ言って。あたしは、唐揚げをパクリと口の中に放り込んだ。

口の中に広がる唐揚げのジューシーな味わいを感じながら。

頭の中では、やっぱり社長の言葉が離れない。


「中西さん。社長って…彼女いないんですか?」


あたしの質問が突然すぎたのか…中西さんは、目を大きく見開いてあたしを見つめた。


「なんで、急にそんなこと聞くんだ?」


逆に中西さんから聞かれて返事に戸惑う。


まさか、きのうあんな事があったなんて言えないしな…。



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