ラブハンターに狙われて。
奈津side

せっかく、パーティーに来たんだ。中西さんの事は引っかかるけど…気持ちを入れ替えて、楽しまなきゃね。


じゃないと、直紀が心配するから…。


だけど、なんだか…別世界に来たみたい。


周りにいる人は、みんな高そうな高級ドレスに身を包み、当たり前のようにそのドレスを着こなしている。


あたしなんか…さっきから履き慣れない高めのヒールに苦戦して


踵が靴擦れでズキズキと痛み始めた。


直紀に気づかれないようについていくけど、ヤッパリ…痛いな。


すると、直紀が、あたしをソファまで連れて行き、座るように言った。


「どうして?他に、誰も座っている人はいないよ?」


「そんな事、気にしなくていい。足、痛むんだろう。痛いなら、素直に言えよ」


気づいてたんだ…。


「うん…ごめんなさい」


「謝ることねぇよ。ちょっと、ここで待ってろ。飲み物、持ってくるから」


直紀は、そう言うとセレブ達の人混みの中に消えていった。




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