ラブハンターに狙われて。
「お前…それ、本気で言ってんの?」
そう言うと、直紀はあたしをクルッと前に向かせ
あたしの頬を両手でパンと挟んだ。
「イタッ…いよ…直紀…」
「俺だって、イテェーよ…お前から、そんな風に思われてるなんてな…」
真っ直ぐ見つめる直紀の瞳は、悲しみの色に染まっていた。
「直紀…?」
「俺が…いつ住む世界なんかを気にした?」
「それは…」
「なぁ…俺がいつお前にそんな事を求めた…?」
あっ…そうだった…。
直紀は、一度もあたしに、そんな事を求めたりしなかった。