ラブハンターに狙われて。
「本当…ですか?」

少し震える声で聞くと「あぁ…」と、参ったなぁと、少し俯いて前髪を手でかきあげながら言った。


なぜだか分からないけど…その社長の姿がなんだか可愛く見えて。

さっきまでの恐怖心が徐々に薄らいでいくのを感じた。


「社長…」


声も、普通に出せる。


「うん?」


なんだ?とあたしを見る瞳に、不覚にもドキンとときめいた。


な、なに?この感情。どうして、あたし、社長にときめいているのよ?


わけの分からない感情に戸惑いを感じながら、今なら普通に社長と話せるような気がして。



「どうして…あたしにこんなことをしたんですか?」



きのうから、ずっと疑問だった。どうして、あたしなの?と。



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