ラブハンターに狙われて。
社長は、それだけ言うとあたしから離れ、やってきた警備員に

「俺だ。ちょっと仕事をしていた」


そう言うと、あたしに背を向けて振り返らないまま去っていった。


呆然と立ち尽くしているあたしに警備員が不信な表情で


「もう、鍵締めていいですか」

と遠慮気味に聞いた。

あたしは慌てて「はい」だけ言うと逃げるように、お店を後にした。



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