Parting tears
先程と同じ位置に、私達は車に乗り込むと今西が車を発進させた。
帰りの車内では、疲れたのか、誰しもが口数も少なく、美久は居眠りしている。私は窓の景色を眺めていたのだが、ふと私の手に何かが触れたので、何だろうと考えていると、ぎゅっと手を握られたのである。それは後部座席の真ん中に座る隼人の手だった。
ここで手を振り解くのも可哀相だと思った私は、そのままにしておくことにし、いつの間にか居眠りしていた。
ふと目を開けると、もう私の家の近くだったので、今西に話しかけた。
「その角を曲がったところで大丈夫だよ」
「オッケー」
横を見ると隼人も美久も寝ていたいたので、私は隼人に握られたままの手をそっと解いた。
そして車が停まると、今西が隼人と美久を起こした。
「おい、結麻ちゃんが先に降りるぞ」
「もう着いたの。早いね。結麻、じゃまたね」
美久が寝惚けた顔でそう云うので、私も「またね」と云い車のドアを開けた。
「結麻、またな」
隼人も寝惚けた顔をしている。
「またね~」
今西は疲れも見せず笑顔で片手を上げた。しかし、和哉は何も云わなかったのである。
私は車を降りると、皆に手を振ってから歩きだした。
結局和哉と、携帯番号の交換しなかったなぁ。まぁいいか。その時はそう思っていた。
帰りの車内では、疲れたのか、誰しもが口数も少なく、美久は居眠りしている。私は窓の景色を眺めていたのだが、ふと私の手に何かが触れたので、何だろうと考えていると、ぎゅっと手を握られたのである。それは後部座席の真ん中に座る隼人の手だった。
ここで手を振り解くのも可哀相だと思った私は、そのままにしておくことにし、いつの間にか居眠りしていた。
ふと目を開けると、もう私の家の近くだったので、今西に話しかけた。
「その角を曲がったところで大丈夫だよ」
「オッケー」
横を見ると隼人も美久も寝ていたいたので、私は隼人に握られたままの手をそっと解いた。
そして車が停まると、今西が隼人と美久を起こした。
「おい、結麻ちゃんが先に降りるぞ」
「もう着いたの。早いね。結麻、じゃまたね」
美久が寝惚けた顔でそう云うので、私も「またね」と云い車のドアを開けた。
「結麻、またな」
隼人も寝惚けた顔をしている。
「またね~」
今西は疲れも見せず笑顔で片手を上げた。しかし、和哉は何も云わなかったのである。
私は車を降りると、皆に手を振ってから歩きだした。
結局和哉と、携帯番号の交換しなかったなぁ。まぁいいか。その時はそう思っていた。