Parting tears
第三話 携帯電話番号
 ドライブに行ってから二ヶ月近くが経っていた。
 その間、美久と会ったのだが、こう訊かれたのである。


「ドライブの帰り、最後に和哉を送って行ったんだけどね、結麻の携帯番号教えてくれって云うから教えたよん。とりあえず結麻にも和哉の携帯番号教えとく。それにしても、あいつ私とはあんまり喋らないくせに、ドライブの時、結麻とはよく喋ってたから驚いたよ。それに、あいつが女の子と話すなんて珍しいから。もう電話かかってきた?」


 その時点で和哉から電話はかかってきていなかったし、今もかかってきていない。
 とりあえず私は、美久から聞いた和哉の携帯番号をメモリーに登録しておいた。

 今日は大輔と会う約束があるため、着替えると待ち合わせ場所に向かった。
 この時はまだ彼と別れていなかったのである。
 地元の駅で待ち合わせしていたので、自宅から歩いて十五分くらいで着く。

 和哉はどうして私の携帯番号を美久に訊いたのに、かけてこないんだろう。とりあえず訊いただけなんだろうか。
 まあいいか、と深くは考えず、待ち合わせの駅に着いた。


「結麻~こっちこっち。どうする? 今日カラオケ行く?」


「いいよ。それにしても寒いね」


 大輔は音痴だが、カラオケが好きだったので、デートでは必ずといっていいほどカラオケが組み込まれていた。私もカラオケは好きな方だったので、嫌ではなかったから成立したのだろう。

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