Parting tears
第十話 月日は流れ
 私の誕生日、和哉は覚えていてくれた。始めて出逢った、あのドライブした日に私の誕生日を訊き、そして忘れないでいたのだ。

 欲しがっていたバッグと、手作りのバースデーカードをくれた。そのカードには、和哉の綺麗な字で、こう書いてあった。


【誕生日おめでとう。結麻が十九歳になったから、誕生日がまだ来ない俺より一つ年上だね。こらからもずっと俺の側にいて下さい。 和哉】


 そして私も和哉の誕生日に、和哉の欲しがっていたフェラーリの模型と手紙を書いた。何て書いたかは今となっては思い出せないが、おそらく和哉と同じような内容だったと思う。


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