Parting tears
 更に時は経ち、成人式の日。

 私と和哉は待ち合わせし、会場に行くか行かないか迷っていた。そこには美久や隼人も来る。邪魔されて、この関係が壊されるのを一番恐れていたからだ。

 結局、私と和哉は着物とスーツのまま会場には行かず、出かけることにした。


「結麻、着物も似合うね。今日で俺達も大人だと認められるんだな」


「そうだね。和哉もスーツ似合うよ」


 その日は忘れもしない大雪で、交通も不便で寒かったが、二人で過ごす時間が大切で、私達は周りが見えなくなっていたのかもしれない。


 成人式の日を過ぎた頃、私と和哉はいつものように夜電話をしていた。


「結麻、窓の外見てごらん」


 そう云われて私は部屋の窓から外を見ると、大きな粒の雪が降っており、いつの間にか外は銀世界だった。

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