Parting tears
第十一話 サッカー
和哉と会う回数が減っていた頃のこと。
私は元々運動が好きで、スポーツが得意だったのだが、年を重ねるごとに運動をしなくなっていた。そんな時、丁度一つ年上の幼馴染みである吉成、通称ヨシ君から電話があったのだ。
「結麻、久しぶり。お前さ、走るの早かったよね?」
「何、急に? 久しぶりに電話かけてきたと思ったらいきなり」
確かに私は走るのが速かった。中学、高校と県大会で優勝したこともあり、周りは私の将来に期待していたくらいだ。しかし全国大会で破れ、私は短距離を辞めてしまったのである。
「俺と同じクラスだった武山って覚えてる? あいつがさ、社会人のサッカーチームに入ってるんだけど、足の速い奴探してるんだよ。メンバーに入れたいらしくて」
「ふ~ん。武山先輩は覚えてるよ。サッカーやってるんだぁ」
「それでさ、結麻を誘ってみてくれって頼まれたんだよ。だから俺がこうして電話したってわけ」
「じゃ、考えとくよ。ヨシ君はサッカーやらないの?」
「俺はお前みたいに足速いわけじゃないからな。じゃ、やる気になったら電話くれよ」
サッカーか。学生の時は時々、サッカー部の男の子に蹴らせて貰ったことくらいしかないしなぁ。でも、楽しそう。和哉に話してみようっと。和哉も一緒にサッカーやれたら楽しいのに。
思いたった私はすぐ和哉に電話した。
私は元々運動が好きで、スポーツが得意だったのだが、年を重ねるごとに運動をしなくなっていた。そんな時、丁度一つ年上の幼馴染みである吉成、通称ヨシ君から電話があったのだ。
「結麻、久しぶり。お前さ、走るの早かったよね?」
「何、急に? 久しぶりに電話かけてきたと思ったらいきなり」
確かに私は走るのが速かった。中学、高校と県大会で優勝したこともあり、周りは私の将来に期待していたくらいだ。しかし全国大会で破れ、私は短距離を辞めてしまったのである。
「俺と同じクラスだった武山って覚えてる? あいつがさ、社会人のサッカーチームに入ってるんだけど、足の速い奴探してるんだよ。メンバーに入れたいらしくて」
「ふ~ん。武山先輩は覚えてるよ。サッカーやってるんだぁ」
「それでさ、結麻を誘ってみてくれって頼まれたんだよ。だから俺がこうして電話したってわけ」
「じゃ、考えとくよ。ヨシ君はサッカーやらないの?」
「俺はお前みたいに足速いわけじゃないからな。じゃ、やる気になったら電話くれよ」
サッカーか。学生の時は時々、サッカー部の男の子に蹴らせて貰ったことくらいしかないしなぁ。でも、楽しそう。和哉に話してみようっと。和哉も一緒にサッカーやれたら楽しいのに。
思いたった私はすぐ和哉に電話した。