Parting tears
 それから和哉は帰り際に云っていた。


「俺、サラリーマンやりながら、H駅のカフェでバイトもしてるから、夜もし近くに来たら、寄ってくれ」

 
 和哉と再会して、数ヶ月後、私はH駅の隣りのS駅に用があり、和哉のバイトするカフェに行った。すると、和哉と同僚らしい若い男の子がいる。


「来てくれたんだ。もう仕事終わり?」


「うん。仕事で近くまで来てたから。和哉の制服姿、なかなか似合うじゃん」


 和哉は照れていた。コーヒーを注文すると「二階に持ってくよ」と云っていた。
 そして私が和哉に背を向け、階段を上る時、和哉と若い男の子の会話が聞こえた。


「和哉さん、あの人誰っすか? 綺麗な人ですね。紹介して下さいよ」


「俺の昔の彼女だよ。紹介はしないぞ」


「え~、今付き合ってないんだからいいじゃないですかぁ」


 私は二階の席に腰掛けると、タバコに火を点けた。
 そういえば、和哉と付き合ってる時、タバコは控えていたっけなぁ。

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