空の大切なもの
俺は、実感も湧かないまま葬式になった。


父さんは、親に勘当されていて、母さんも小さい頃に両親を亡くしていて身寄りがなかったから、親戚の人はいなかった。近所の人たちや学校の友達が来てくれた。カズとシンも来てくれていた。


「かわいそうに…」

「空くん、がんばってね…」

「一人でも挫けちゃ駄目よ…応援してるから頑張ってね。」


近所の人たちが話しかけてきた……


頑張る……?

何を……?


まだ実感が湧かない俺に何を頑張れって言うんだ……?


葬式の間、俺は涙が出なかった…
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