空の大切なもの
その言葉を発したと思われる20代くらいの男の人が俺の目の前に立っていた。


誰だ?



「お前、向井さんのとこの空くんだろ?」

「……はい」


男のニカッと笑った顔ときれいな茶色い髪が月明かりで見えた。



「俺は、中本 健仁ってんだ。昔、聡さんにお世話になったことがあってな。」

「父さんに……?」




聡(サトル)は、父さんの名前だ。
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