空の大切なもの
「このガーベラハウスは、もともと俺の親父が下宿としてやってたんだけど、親父が亡くなって今は俺の家になってるんだ。亜沙子さん達は、身寄りがなくてな。今は3人で住んでるんだ。」



身寄りがないって、俺と一緒だ……。



「まぁ、血の繋がりとかはないけど家族みたいなもんだよ。」



そう言って健仁さんは、ニカッと幸せそうに笑った。



『家族』
俺にはもぅその大切な存在は無くなってしまった……
 

「ソラ、今日からお前も一緒に住もう!!」


「えっ!?」


「家賃とか取らねーから心配すんな!」


(いや、そうじゃなくて…)



いきなりそんなことを言われて混乱していると、俺の頭に健仁さんが手を置いた。

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