午前0時のシンデレラ

「う、うるさいわね!あんたは大人しく言うこと聞いて、あたしを抱けばいいのよ!」


「はい!? だから何でそうなる!?」


「だから!これは命令よ!」


キッと睨むと、柳は困ったように頭を掻いた。


「あのなぁ…いくら命令っつったって、そりゃ無理だろ」


「何でよ」


「何でって。こういうのは順序ってもんがあるだろ?まずはお前が俺に告白して、俺がOKしたら…」


「は?ちょ、ちょっと!」


ぶつぶつと"順序"とやらを呟く柳に、あたしは慌てて呼び掛けた。


何か、物凄く聞き捨てならない言葉が聞こえた気がする。


「…告白、とか言った?」


恐る恐る訊ねるあたしに、柳は眉を寄せた。


そして、あり得ない言葉を口にする。



「お前、俺が好きなんだろ?」



あたしは思わず絶句した。


心の中では、絶叫したけど。


…何で今の今までの流れで、そういう結論が出るのか、意味が分からない。


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