午前0時のシンデレラ
なのに、柳は。
楽しそうに、どこか…愛おしそうにあたしを見るから。
「…はは」
愛おしそうなんて、笑っちゃう。
何で柳にそんな視線送られなきゃならないの。
わけがわからないけど、これだけはわかった。
柳は、今まであたしの世話係だった人たちとは、何もかもが違う。
だからこそ、どうすればいいいのかわからなくて…戸惑う。
これじゃ完全に、柳のペースだし。
思い出すとムカムカしてきて、あたしはドアを蹴飛ばした。
痛みが瞬時に足から全身に伝わり、唇を噛みしめる。
「…バカじゃないの」
あたしを変える?
そんなことできるの、魔法使いくらいよ。
あたしは信じない。
あの人以外…信じないんだから。
乱暴にベッドに横になると、すぐにあたしは意識を手放した―――。