午前0時のシンデレラ

メイドの心配そうな視線に、あたしは唇を噛む。


「…分かったわよ…、やってやるわよっ!」


絶対にノルマ達成して、柳にぎゃふんと言わせてやるんだからっ!


あたしの答えにメイドは安心すると、「あとでお茶をお持ちします」と一礼して、部屋を出た。


あたしは気合いを入れると、自分の部屋へと向かった。






部屋を開けた瞬間、山積みの問題集が目に入る。


「…何なのよ―――!」


思わず叫びたくなる程の量に、あたしは唖然とした。


これを、1日でやれと…?


「柳の鬼っ!!」


悪態をつくと、あたしは机に向かってペンを握った。


あんなヤツに、負けてたまるもんですか!



それからあたしは、メイドがお茶を持ってきたことに気づかないくらい、必死に問題を解いた。


こんなに勉強するなんて、今までに一度だってない。


嵐が来たら、柳のせいだからね!


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