午前0時のシンデレラ
「…ははっ、顔真っ赤」
「~う、うるさいわねっ!!」
こういう時だけ、余裕な表情を見せる柳がムカつく。
乙女心をもてあそぶなんて、最悪よっ!
「もう!はなして―――…」
言葉が途切れたのは、柳が急に真剣な顔をしたから。
その瞳に、吸い込まれそうになったから―――…
「―――――好きだ、咲良」
午前0時を告げる鐘の音が、静かに心に響く。
それはきっと、新しい魔法をかけられた瞬間。
「………柳のバカ」
「いいよ、バカでも」
ねぇ、今なら信じられるよ。
シンデレラの魔法は、解けない、って。
大好きな人がそばにいてくれれば、魔法はずっと解けないんだ。
「―――大好きよ、柳」
…それはきっと、永遠の魔法。
‥‥*END*‥‥