午前0時のシンデレラ
*‥‥‥‥‥
「―――どうゆうこと!?」
ガタン、と盛大な音を立て、机が揺れた。
あたしは握りしめた拳を震わせながら、目の前にいるパパを睨む。
パパはそんなあたしの威勢に怯むことなく、にこにこと笑顔を浮かべている。
「だから、言ったろう?咲良の世話係を雇ったんだよ」
何の悪びれもなくそう言うと、パパは後ろを振り返った。
「本日付で働いてもらうことになった、柳 睦臣くんだ」
「よろしくお願いします」
パパの後ろから現れたのは、20代くらいの男。
羨ましいほど綺麗な黒髪は、適度に癖があって、それでいて自然に整っている。
スラッとした長身で、鼻筋はスッと通っていて瞳はぱっちり二重。
彼を取り巻くオーラは、なんかキラキラしてる。
…一言でいうなら、かなりの美形。
―――だけど!
「あたしは世話係なんかいらないって言ったでしょ!? それにこの人嫌っ!!」