午前0時のシンデレラ

「変態!! ストーカー!!」


何がこんなに頭にくるのかわからない。


でも、あたしは柳に怒鳴らずにはいられなくて。


何か言おうと口を開いたのに、次の言葉は柳によって止められた。


「…静かにしろって、バカ」


「んー!んんー!!」


いつの間にか背後から口を押さえられ、あたしは必死に抵抗する。


でもそんな抵抗も虚しく、柳はピクリとも動かなかった。



それでももがき続けるあたしの耳元で、柳が呟く。


「…俺は、お前の世話係だから」


―――だから、何だっていうの。


思った言葉を言ったら、悔し涙が零れ落ちそうな気がして、あたしは何も言えない。


「お前の行動は全部、把握する必要があるんだ」


柳の声なんか、聞きたくない。


なのに、



「言ったろ?魔法をかけてやるって」



何で、あたしを掴んで離さないんだろう。


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