午前0時のシンデレラ
相変わらず意味のわからない発言に、何故だか可笑しくなってきた。
「あんた、何歳なの?」
「俺?21」
こんなやつでも、3つも歳上なんだ…
「…変なの」
「おい、何だよ変って。いい男だろ?」
「全然」
「即答かよ!」
苦笑した柳につられて、あたしも笑う。
「…何だ、普通に笑えんじゃん」
急に優しい瞳を向けられ、どきっとした。
…って、何でどきどきしてんの?あたし。
「し、失礼ね。勝手に笑えない人にしないでよ」
顔を背けたあたしに、柳はまだ笑っていた。
その笑い声が、耳をくすぐる。
…解けない魔法なんか、ない。
でも…少しだけなら、信じてあげてもいいよ?
"シンデレラの魔法は、解けない"
その言葉が、あたしの鼓動を速くした。