午前0時のシンデレラ
3.カボチャの馬車
温かい布団のぬくもりが、心地いい。
「…お早うございます」
「ん~…もうちょっと…」
ごろん、と寝返りをうつと、急に身体を寒さが襲う。
「起きてください」
どうやら布団を剥ぎ取られたみたい。
それでもあたしの身体は、まだ睡眠を欲しがっていて。
「うるさいなぁ…もう少し寝かせてよパパ…」
少し不機嫌にそう言ったら。
「だーっ!! 起きろっつってんだろ!! 俺はパパじゃねぇ!!」
…って、怒声が降ってきて。
「!?」
びっくりして身体を起こすと、はっきりと目が覚めたあたしの目に映ったのは…
「…や、柳?」
「やっと起きましたか」
そう言ってにっこり笑う柳のこめかみに、怒りマークが見える気がする。
あたしもひきつった笑顔を浮かべ、ちらりと時計に視線を送る。
…と。