午前0時のシンデレラ
「―――は!? まだ6時じゃない!!」
信じられない時間に起こされて、あたしは一気に不機嫌になる。
「まだ、じゃない。もう、だろ」
「だって今日休日よ!?」
しれっと言い放つ柳に、あたしは反論する。
休日くらいゆっくり寝てたいじゃない!
…平日もゆっくり寝てるけど。
すると、柳は嫌な笑みを浮かべる。
「…へぇ。夜遊びを棚に上げる気か」
―――う。
言葉に詰まったあたしを見て、柳は勝ち誇ったように続ける。
「真夜中に屋敷を抜け出したお嬢様は、一体何をしてたのかなぁ?」
「…か、関係ないでしょっ!」
…あのあと、少しだけ柳を信じてみようかなーなんて、血迷った考えをしたあと。
屋敷に帰るまでの間、あたしがお店で何をしてたのかしつこく聞かれ、すぐにそんな考えをしたことを後悔した。
やっぱり柳は、嫌なやつ。