午前0時のシンデレラ
「で?こんな朝早くから勉強しろっていうの?」
話題を逸らそうと、あたしは疑問に思ったことを口にした。
「よくわかってんじゃん」
にやりと笑った柳は、そのままあたしの腕を掴む。
「ちょっ、やめてよ!勉強なんか絶対嫌だからね!」
引きずられまいと、必死で抵抗するあたし。
なのに非情な柳は、そのままあたしをずるずると引きずっていく。
「はーなーしーてーっ!!」
柳が突然、ピタリと足を止めた。
「……え、何?」
不思議に思ったあたしが、顔をを覗き込もうとする前に、柳は振り返った。
「お前さ…勉強って何すると思ってる?」
「は?何って…数学とか英語とかでしょ」
答えた瞬間、昨日の数学の問題集を思い出して気分が悪くなる。
すると柳は、にこりと嘘くさい笑みを向けると、またあたしを引っ張りだした。